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清水
なーちゃんは高校時代からの親友です。
今日も会う約束をしてる。
性格は暗いが、教養豊かで話しててとても楽しい。彼氏に歌詞書くように頼まれたのだが、全くかけなくてなーちゃんに相談した。背に腹はかえられぬ。
なーちゃんは才能があった。昔からとても賢い子だということは知っていたのだが、ここまで才能があるとは知らなかった。
彼氏に暴力を振るわれたら、なーちゃんのところへ行き歌詞を書いてもらうを何度もなんども繰り返した。しかし何故だか彼氏にこの関係がバレてしまったのだ。今度3人で会うことになった。おしまいだ。彼氏が欲しいのは明るく可愛い彼女などではない。売れる歌詞だ。なーちゃんのことを好きになるに違いない。
許してなーちゃん。私にとっての最優先は彼なの。包丁を隠してチャイムを鳴らす。胸が高鳴りチャイムを押す手が震えている。アドレナリンが溢れ出し今にも叫び出してしまいそうだ。落ち着け。平常心、平常心。
何度チャイムを慣らそうとも出てこない。空いてる?ドアを開けると同時に何かが割れる音がした。
洗面台の前に行くと鏡と花瓶が割れていた。
何が何だかわからないが好都合だ。
「ごめんね。なーちゃん。彼が私にとっての最優先なの。」
そこからの記憶はほとんどない。気がついたらなーちゃんの体はバラバラになっていた。
隠さなきゃ。ほとんど何も入っていない冷凍庫のものを全て冷蔵庫へ移し、バラバラになったなーちゃんの体を冷凍庫に入れていく。
もともと痩せ型ということもありスペースが余った。
花瓶から出したであろう花があったので一緒に冷凍庫に入れて手を合わせた。
「なむなむ。」
シャワーを浴びながら心臓を落ち着かせる。
帰ったら彼と一緒に死のう。
彼は詩を求めているのだから。
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