あかるい世界

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 全身の筋肉が悲鳴をあげ,関節が音を立てて不自然な方向へと曲げられ固定された。これ以上曲げられたら,関節が壊れてしまう恐怖と経験のない痛みに全身の毛穴が開き,額からは脂汗が滲み出した。血の流れが悪く冷たくなった指先が小刻みに痙攣したが,すぐにどこが痙攣しているのかわからないほど全身が麻痺していった。  口には辛うじて呼吸ができる程度のいくつもの穴が開いた硬い球体を押し込まれ,微かに口から出ている球体を革のベルトでしっかりと固定されていた。俯くと大量の涎が口から溢れ,粗くなった呼吸で胸と背中が上下した。十分な酸素が肺に入ってくる気がせず,呼吸をすればするほど息苦しさが増し,口の中が真空になっていくような錯覚をした。  驚くほどしっかりと固定された革製の目隠しの中で眩しい光が点滅し,虹色の光で目の奥がクラクラした。眩しさが脳みそを焼いているんじゃないかと思えた。  こうやって全裸のまま拘束され,どれくらい時間が経っているのかわからないが,素肌に食い込む革製のベルトが肌を締め付け,皮膚を摺り切り,血が滲んだ。最初は悲鳴をあげ,助けを求めたが,球体に開けられた小さな穴の縁で舌を切り,喉の奥に流れてくる血で叫ぶことができなくなった。  泣き叫ぶことも許されない状況にパニックになったが,どんなに暴れもがいても,痛みと苦しみしかなく,体力がなくなればそのまま気を失うよう眠りについた。そんなことを数回繰り返しているうちに,抵抗する気力も体力も薄れていった。  座る部分に大きな穴の開いた革製の椅子は,剥き出しの足首と膝をベルトで締め上げながら強制的に両脚を左右に拡げる細工が施されていた。大きく拡げられた股の間がやけに涼しく,無防備になった粘膜を汗が湿らせた。
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