25人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は ばあちゃんと室に入ると いつまでも出たくなくて ばあちゃんを困らせた。
何をする訳でもないが 薄暗がりのジメジメした室という空間は 秘密めいていて そこにいるだけで さまざまな妄想が湧き起こるのだ。
暗く淀んだ空気には 悪の香りがあった。
地獄の入口へと通じている秘密の隙間から冷たい風が流れてくる。
そんな気がして 室の奥の壁の方に近づくことが怖かった。
怖いけど その隙間をいつか必ず確認しなければならないとも思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!