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鬼丸はそれからあっという間に果て、腰から崩れ落ちて地べたに座った。 「後ろ、(ほぐ)すさかい、力抜いて楽にしといてや」 その言葉に鬼丸はドキリとした。と、同時にまた腹の底が疼いた。前に指をそこに入れられた時の感覚が甦った。始めのうちは窮屈でとても気持ち悪かったのに、ある部分で突然気持ち良くなった。 あれは……一体何だったのだろう? …… そんなことを思い出しているうちに、耶駒が唇を塞いできた。先程同様、ねっとりと舌を絡めてくる。前に繋がった時には口付けをしなかったので、その初めての刺激に背筋がゾクゾクする。頭のてっぺんから足の爪先まで敏感に感じてしまう。 耶駒さんはしっかりしていて、何でも知っている。そして強く、どこか優しい……。 そんな憧れの人から貰う口付けでの次々に沸き上がる興奮は、身体からの刺激ばかりではないように感じる。そう思うと何故だか心がじんわりと温かくなり、泣けてきた。 ああ。辛いことの連続だったから。俺はこういう温もりがずっと欲しかったのかも…… そんな考えが、頭を(よぎ)る。 鬼丸は素直に本能で動く。―――――――― 気が付けば、耶駒の首筋に両腕をまわし、激しく自分からも口付けていた。今度はそれに耶駒が怯む。だが鬼丸は逃さない。両肘で逃げようとする彼の首をがっしりと押さえつける。耶駒は遂に観念して激しく鬼丸へ応戦する。 だから、なのに切ない声がお互いに漏れてしまう。 耶駒は鬼丸の秘部へ、しとど濡れた指を滑り込ませた。 「あっ……! 」 鬼丸は思わず顔を上に向けてそんな声を出した。そして今度は首を横に振って早くそこから指を取ってくれとせがむ。 しかし耶駒はそれを止めない。慣らしてしまえば、そこをもうすぐで気持ち良くさせることが出来るとわかっているから…… 指を優しく、中で探り探り丁寧に動かす。 暫くすると鬼丸の身動(みじろ)ぎがだんだんに激しいものに変わっていき、腰を浮かし始めた。指も徐々に増やしてやった。やがて…… 「そこっ……ヤバい……おかしくなるっ……」 それを聞いた耶駒はにっと笑う。 「鬼丸さん……ええで。イって」 「えぇ?! 何? 」 何の事なのかわからず、余裕なく切なげにそう聞く鬼丸に耶駒は思わず笑いが込み上げてしまう。 「また、さっきみたいに出してもええよ」 「えっ?! それムリだって! あっ……」 「ここ? ……ええの? 」 鬼丸は必死に無言で何度も頷く。 突然カッと閃光が走り、一瞬にして辺り一面が明るくなった。 「あぁっ! ……耶駒さっ……」 鬼丸がそう叫んで必死に耶駒の首筋にすがると、激しい雷鳴に喘ぎ声が重なった。 耶駒は余所見(よそみ)をしながらその手を止めた。 「こら……絶対近くに落ちたでぇ……」 そう呟いて鬼丸の肢体に視線を戻すと、彼の腹の上にはほんの少しの絶頂の果てが点々と這っていた。 「イってもうたね」 耶駒は嬉しそうにあっけらかんとそう言った。 それに対して鬼丸は、赤らめた顔を無言で彼から背けた。 「わいの、入れてもええ? 」 「……ええよ……」 「っ! ……」 鬼丸は耶駒からまだ目を反らしつつ、彼につられて京言葉で思わず返事をしてしまった。それを聞いた耶駒は、悶えるような表情で苦笑しながら言った。 「鬼丸さん……あんたってば。ほんっっっまにエエ(おとこ)やわ。全く……」 「? 」 鬼丸は耶駒が何故そういうことを言っているのか正直わからなかったが、適当に答えておいた。 「……知ってる」
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