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ああ、ここどこだっけ?
知っている場所だ。
ああ、違う。生きていた場所。
あれ?でも、ここで死んでいったような気もする。
背の高い棚に、整然と並んだ無数の商品。
それがどこまでも続いている。棚に沿って歩き、曲がってみると、またずっと棚。
まるで迷路みたいだ。
歩いても歩いても、棚が続き、誰にも会わない。
誰もいないのだろうか?
これでは、××××××だ。
キーンと耳の奥に痛みが走った。
思わず座り込む。ゆっくりと目を開けると、そこにそれは、ずらりと並んでいた。行儀よく、身体をこちらに向けている。まるで×××××とばかりに。
ズキズキする頭を抱えて、それでもそれに手を伸ばす。
ああ、でも駄目だ。アレを忘れた。
……アレって何だっけ?
急に店内の明かりが落ち、物々しい赤ランプがそこかしこで点滅し始める。どこにこんなに、警報機があったんだろう。
続いて、店の外からガラスを叩く音が鳴り響いた。
バンバンバン!
バリバリバリ!
ああ、待って、そんなに叩いたら、割れてしまう。
もう少し、ここにいさせて。
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