午前二時・異国からのコール

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 アヤカはスマホを持ち替えて、 「ん。で‥‥何よ、今ごろ‥‥」  当然、こんな時間の電話、普通とは思えなかった。 『あー、いえね、なんか急に気になって。あんたが、泣いてるんじゃないかと思って‥‥』 「えっ、どうして? そんな訳ないでしょ、私が泣いてるって‥‥」 『そうよね。あんたガンコで、しっかりしてるからね。 そう言えば‥‥おばぁちゃんのコト、思い出したわ』 「えっ、おばぁちゃん?」  アヤカの母方の祖母のことだ。 『おばぁちゃんは反対したんだけど、私ったら無理に東京に出てきちゃって。彼氏の誘いを受けてね。 だけど、すぐに仕事も無かったし‥‥、 その人が突然、亡くなったりして‥‥ 途方に暮れた事があったのよ‥‥』  アヤカは、はっとした。  母がモメて、東京に出たこと‥‥アヤカは叔父から聞いて知っていた。  母も、そうとうガンコだったようだ。
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