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すると、母親からの声が更に聞こえて、
『そしたら、そんな時、おばぁちゃんから電話がかかってきたのよ。
さんざんモメて、険悪な状態で別れたのに‥‥
お前が泣いてるんじゃないかと思って、なんて‥‥言ってね‥‥』
アヤカに、その祖母の記憶は無かった。
『実はね、その時、私のお腹には、アンタがいたのよ‥‥。
なのに、アンタの父親は亡くなっちゃって‥‥。
本当に絶望してたのよね‥‥』
アヤカの心に、その言葉が染み込んだ。
『でもね、その時、電話を切った後で、はっとしたのよ。
おばぁちゃん、とっくに亡くなってたから‥‥』
「えっ」
『私が東京に出てきた数日後、交通事故でね。
弟に電話して分かったのよ‥‥』
「そう‥‥」
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