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「皆さん、当然ご存じのことと思うが、当学校はカトリックを下地とした学校である。もちろん信仰の自由は許されておるが、毎日曜日のミサを始めとして、種々のトルキス教行事を執り行っておる。もし、個人的・家庭的事情からこれらの行事に参加できないという学生は随時教員に申し出ること。」
チラチラとオマール・パンカジュ・晴太・エルザ・ニキアスの周りを視線が飛び交う。そしてこれこそロイド校長の頭を悩ます最大の理由の一つであった。これまで、聖ギルデオンに入り、巣立ったものは当然のようにアングロ・サクソン系に由来を持つ生徒が圧倒的に多かったからだ。もちろん、人種によって入学制限を設けているわけではない。しかし実際、これほど毛色の変わった新入生が入ってきたのは、初めてだ。確かに、魔導教育に関しては世界トップクラスの実績を誇る聖ギルデオン校だが、普通はどんなに魔導の実力があっても、地元のトップ校に入学するのが普通である。しかもこの五人は入学試験も問題なく通過している。校長は、トラブルの匂いを早くも嗅ぎつけていた。どうやら今年は、一筋縄ではいかない年になりそうだ。
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