世界の始まり

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世界の始まり

最初に一筋の光があった。そして世界が終わりそうな轟音が鳴り響く中、一つの星が落ちた。人間にはまだ十分な倫理や道徳が備わっておらず、酸鼻を極める暴力や蹂躙があちこちで行われていた。人間がまだドラゴンやマンティコアに捕食されることもそう珍しくない時代である。だが、その土地の魔力は今よりも濃く、原始的でエネルギーに満ちていた。だからこそ、ラッパを隠すのには最適だったのかもしれない。全てが混沌としている中、十分な記録の手段を獲得していない時代を選んだと言えるだろう。  そして、天使はこの時空の中で最も強力な魔導士たちとある契約を結んだ。天使のより高位に位置する存在からの預言を授かったことにより、運命の歯車が動き出すこととなった。その真意はまさに神のみぞ知ると言ったところであろう。
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