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 その言葉が、なぜだか妙に的を射ている気がして、何も返せなくなってしまった。  やっぱり私は、息子に弱いのかもしれない。 「……分かったわ」  ため息とともに降参する。  そこまで言うならしかたない。なにも、未成年ふたりで暮らすわけではないのだ。  藍に、最低一日一回近況報告をするという条件を付け、泣く泣く了解した。  私って、そんなにダメかしら。  *  突然始まった娘との別居生活、一日目。  約束通り、夕方に送られてきたのは、夕暮れ時のアスファルトに伸びる自分の影を藍自身が撮影したもの。  その写真には、こんな文章が添えられていた。 【今日は、課題を終わらせてから時間を持て余してたので、近所をぶらぶら散歩してきました。昔、私が泥んこになって帰ってくると、お母さん、絶対怒ったよね? 洗濯が大変だって。私、お花とか土とか大好きなのに。】  藍は幼い頃から活発な子で、保育園から小学校低学年くらいまでは、クラスの男の子に交じって、毎日のように泥だらけになって帰ってきた。  何度注意しても聞かないから、最後は諦めて自然に落ち着くのを待ってたっけ?
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