母の日に母は無く

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母の日に母は無く

『 カーネーション 亡くして気付く 親心 』 今年も又、母の日が訪れようとしていると申されますのに、ワタクシには母親と呼べるモノが既にありません。 ………お母さん! 1度で良いから、そんな風に呼んでみたかったかしらね?………今、思い出したかの様にお話するのですけれど。そんな日も、ワタクシの生涯の中で、1度くらいはありましたのですのよ?そりゃそうでしょ。誰にとって見ても、本当の母親と言うモノは、一人しか存在しませんもの。 その日は、確かワタクシにとっては思春期を迎えた頃の想い出の中で眠り続けている出来事だったのですけれど。まるで原稿用紙の向こう側から飛び出して来たワタクシにとっては、この世界の中では親と呼べる存在が既に無く、その目的すら思い出せないくらいに人類世界に迷走していた頃。と或る人物からアイドルのコンサートに誘われて、興味本位で連れられて立ち寄ったその場所で、そのアイドルを差し置いて、そのステージで歌を唄っていたその頃の美少女に、ワタクシは特別な想いを感じたのよねぇ………。 その日以来、その少女の事を想うと涙が溢れて来てしまい。そんな気持ちって誰にでもあるのかしら。………それが恋なの? いいえ。ワタクシが、その時に抱いてしまった想い。それは、その少女のお腹の中から生まれて来たかった………。 ………ゲッ、ゲッ、ガチョ〜ン!!! それは、それは、そればかりはヒトが抱いてはいけない禁断の恋!!でも、1度で良いから、その人と再び巡り逢いたい。会って話をしてみたい。仲良くなりたい。それから十数年の歳月が流れ、その頃のワタクシは、想いを抑えきれずに上京する事となったのではありますけれど。
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