56人が本棚に入れています
本棚に追加
4. 家庭内民主主義 ?
ところが、何で、父と母が、もめた時だったか。
突然、父が、あきれる事を、言い出した。
「 家族みんなで、話し合って決めよう!
入院中、子どもたちも、それぞれ、がんばった。
みんな、一人前に扱うべきだ。」
これには、母も、異を唱えようがなかった。
こうして、週に1度、『 家族会議 』なるものが、始まった。
家族会議は、『 全員一致 』が、大原則。
一致するまで、全員で、徹底的に話し合った。
が、次の週に持ち越せない緊急議題は、例外。
夜、10時過ぎると、多数決をする事になった。
その際、全員平等に、1票ずつが与えられたのだ。
わが家は、子供が、姉、兄、ぼくと、3人いる。
団結すれば、多数決では、負けようがない。
親も子も1人1票は、さすがに、行き過ぎでは?
こづかい値上げ等、簡単に決まってしまうのでは?
普通は、そう思う。
が、実際には、その『 数の論理 』は、現実化しなかった。
例えば、『 こづかい値上げ法案 』は確かに提出されはした。
が、姉が反対した事で、採決するまでもなく、廃案に。
父の入院中、苦労したのは、母だけではない。
一番年上だった姉も、様々な苦労を、したのだ。
こづかい値上げに反対したのも、今のぼくなら、理解できる。
『 自分一人いい子になる、許されざる裏切り行為 !』
と、当時のぼくは、思ったのだったが。
給料・借金・貯金・生活費等、すべての情報を、完全に公開。
常に、全員一致を目指して討議する、全員の真摯な態度。
緊急議題で、やむをえず、多数決する事は、確かにあった。
が、その際も、『 事前談合 』や『 数の暴力 』等、一切なし。
『 化け物屋敷 』で、『 家庭内民主主義 』が、始まったのだ。
( 5. なぜ、古新聞があった? に続く)
最初のコメントを投稿しよう!