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終わりの始まり
まず初めに。この本を読んでいただき、ありがとうございます。この広い世界で、今、この瞬間、他の誰でも無い、あなたに出会えた事に感謝します。
さて、この「真実」は、主人公ヨツハを中心とした物語の三作目であり、最終章となります。ここまでの全ての物語に目を通し、尚もこの「真実」を読んでいただけているならとても嬉しいです。また、私の話を始めて読んで頂いている方にも楽しんでいただけるよう、最善を尽くします。
全ては、私の"願い"が招いた悲劇だった。
彼女は、周囲の人間から"化物"と呼ばれている。生まれつき火傷のような痣が顔にあり、血を思わせる真っ赤な髪をしており、あまり人付き合いが得意ではなかった事も手伝い、気がついた時にはそう呼ばれるようになっていた。
決して、本当に"化物"だった訳ではない。ただ、当時の村は流行病や飢饉が重なり、人々には、苦しみや憎しみを向ける為の化物が必要だったのだ。人々に呪われ続けた彼女は、いつしか本当の"化物"に変わってしまった。人の形も無くなり、自分が何だったのかも分からない。村の人間を殺して周り、村が無くなった後、人喰いの獣として彷徨う様になっていた。
ある日、彼に出会う。その出会いが私のモノクロの世界を鮮やかに色付ける事となる。
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