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第２話
最初の事件は、2014年７月４日に発生した。
アタシは、おつかいで丹原で暮らしている雄一郎さんのいとこの禎次(ていじ)さんの夫婦が暮らしている家へ行った。
夫婦に赤ちゃんが生まれたので、お祝いの包みを持って行ってほしいと義母から頼まれていた。
アタシは、お祝いの包みを持ってバスを乗り継いで丹原の中心地へ向かった。
県道にあるバス停でバスを降りたアタシは、お祝いの包みを持って、禎次さんの家へ向かった。
それから15分後に、借家の敷地に到着した。
その時であった。
アタシは、えげつない叫び声を聞いた。
(フギャーーーーーーーーーーーーーッ!!フギャーーーーーーーーーーーーーッ!!)
禎次さん一家が暮らしている家から、赤ちゃんがし烈な泣き声が響いた。
この泣き声は、ジンジョウじゃない…
一体、何があったの…
さらにその上に、禎次さんの奥さまの叫び声が響いた。
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!やめてー!!やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてーーーー!!」
(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)
つづいて、布が思い切り破れる音が聞こえた。
その上に、男の女々しい声が聞こえた。
「ダンナと別れて、オレとサイコンしてくれ～…頼む…」
「やめてー!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
つづいて、開いている窓からユニクロエアリズムの黒のビキニショーツが飛び出た。
ショーツは、土の上にぽとりと落ちた。
この時、きわめて危険な状況におちいったので家に近づくことができなかった。
アタシは、命を守るために急いで敷地から逃げ出した。
禎次さんの奥さまが、男から性的暴行を受けた…
加害者の男は、奥さまの元カレだと思う…
テレビドラマで出てくるレイプの現場を身近なところで聞いたけん…
こわい…
それから一時間後のことであった。
アタシは、もう一度禎次さん一家が暮らしている家へ向かった。
アタシが借家の敷地に着いた時であった。
「ちくしょー、ちくしょー、ちくしょー、ちくしょー、ちくしょー、ちくしょー…禎次のクソバカのせいでオレの人生はわやになった…禎次のクソバカのせいだ!!ワーーーーーーーーッ!!」
派手なシャツ姿のなさけない男が、ワケの分からない言葉を言いながら泣きよった。
なさけないわね…
女とられたぐらいで、ビービービービービービービービー泣くなんて…
はぐいたらしいわね…
それから数分後のことであった。
アタシは、禎次さん一家が暮らしている家に入った。
そしたら…
禎次さんの奥さまが…
恥ずかしい姿で死んでいた…
｢フギャーーーーーーーーーーーーー!!フギャーーーーーーーーーーー!!｣
ベビーベッドにいる赤ちゃんが、よりし烈な叫び声をあげて泣き叫んでいる…
大変だ!!
禎次さんの奥さまが、男から性的暴行を受けて亡くなった…
どうしよう…
おぞましい現場を目の当たりにしたアタシは、し烈な叫び声をあげた。
｢ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!｣
事件発生から10分後のことであった。
愛媛県警のパトカーがけたたましいサイレンを鳴らして現場に入った。
アタシは、事件の第一発見者なのでケーサツからあれこれとめんどいことを聞かれた。
「フギャーーーーーーーーーーーーーッ!!フギャーーーーーーーーーーーーーッ!!」
婦警さんに抱かれている赤ちゃんは、よりし烈な叫び声をあげた。
近所の住民のみなさまは、ものすごく不安な表情を浮かべた。
それからまた10分後のことであった。
この時、チャラいカッコウの禎次さんが帰ってきた。
禎次さんは、くちぶえをふきながら品物がぎっしりと詰まっているキスケパオ(パチンコ店)のロゴ入りの紙袋を持って、帰ってきた。
「ヤベぇ!!」
家の周りにケーサツがいるのを見た禎次さんは、びっくりした。
さらにその上に…
「アニキ!!」
「ああ!!禎次!!」
禎次さんは、派手なシャツを着ているヤクザの男たち３人とソウグウした。
「しまった!!」
禎次さんは、景品が詰まっている紙袋を捨ててその場から逃走した。
「コラ!!」
「待たんかいクソガキャ!!」
ヤクザの男たち３人は、禎次さんを追いかけて走って行った。
その間に、赤ちゃんの泣き方がよりひどくなった。
周囲の奥さまたちが、ヘンな目つきでヒソヒソ話をしていた。
その中で、恥ずかしい姿で亡くなった奥さまの遺体がブルーシートに包まれた状態で運び出された。
奥さまの遺体は、西条西警察署へ運ばれた。
愛媛県警は、禎次さんの奥さまの幼なじみの暴力団関係者の男を殺人罪で逮捕状を取って捜査すると発表した。
このあと、愛媛県警の捜査１課の刑事たちによる捜査が始まった。
事件の翌日の７月５日のことであった。
義父の義妹(義母の妹・禎次さんの母親)が家に来た。
義妹は、禎次さんがヤクザの男を刃物で切り付けて殺したことが原因で、ヤクザ組織から追われていることを義父に話した。
その上で、義妹は、義父の知人(今治でショットバーを経営している年輩の男性)にお願いして、禎次さんを助けてほしいと義父に言うた。
しかし、義父は拒否した。
義妹は、義父に哀れみを乞うた。
「義兄さん(にいさん)、いくらなんでもあんまりだわ!!禎次は、必死になって助けを求めているのよ!!」
「いいや!!今度ばかりは助けることができん!!」
義妹は、義父の右足にしがみつきながら助けを求めた。
「なにしやがる!!離せ!!」
「義兄さんお願い!!禎次を助けて…」
「離せといよんのがきこえんのか!?」
義父は、義妹の頭をもので３～４回にわたって殴りつけて離した。
そして…
(ガーン!!)
義父は、右足で義妹を激しくけとばした。
「オドレ帰れ!!帰れといよんのがきこえんのか!?」
アタシは、身をていして義妹をかばった。
「義父(おとう)さま!!やめてください!!どうしておだやかに話し合いをすることができないのですか!?」
「やかましいだまれ!!嫁のブンザイでシュウトにたてつく気か!?」
義父から『嫁のブンザイでと言われたアタシは、思い切りブチ切れた。
「はぐいたらしいクソシュウトね!!もう怒ったわよ!!」
アタシは、義父の義妹にあやまるようにとさとした。
「お願い、義父さまにあやまってよ…アタシも一緒にあやまるから…」
「イヤ!!あやまらない!!」
「お願いだからあやまってよ!!」
「イヤと言うたらイヤ!!はぐいたらしいわね!!」
(バシッ!!)
アタシの言葉にブチ切れた義父の義妹は、アタシの顔を平手打ちでたたいた。
義父は、アタシの顔をたたいた義妹を怒鳴りつけた。
「オドレよくもうちの嫁に暴力をふるったな!!帰れ!!」
義父は、義妹にし烈な叫び声をあびせたあとめちゃくちゃに殴りつけた。
義父のし烈な叫び声は、家の周囲に響いた。
アタシは、その場に座り込んで震えていた。
こわい…
この家の家族は、なんでおだやかに話し合いをすることができんのよ…
サイアク…
ダンナとリコンしたい…
ダンナの家とリエンしたい…
もうイヤ…
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