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「リク、おにーちゃんになるの!?」
理一さんと和解した数日後、病院に診察を受けに行った私の妊娠が判明した。
タイミングを見てお互いの両親や理玖に報告すると、みんなが予想以上に喜んでくれたから驚いた。
ずっとひとりっ子だった理玖は、自分が兄になることをとても喜んで「いつうまれる? あした? あしたのあした?」と興奮気味に訊いてきて……。
理一さんが「100回以上寝たあとだよ」と伝えると、あからさまにがっかりとしていた。
「理玖は、弟と妹とどっちがいい?」
「おとこのこ!」
まだ性別がわからない段階で何気なく聞いてみたら、即答だった。
「どうして?」
「いっしょにたたかいごっこできるから」
「そっか。それは楽しそうだね」
家の中が賑やかしくなることを想像して苦笑する。
「理一さんは?」
「おれは……、女の子だといいなーって思ったりもするけど。元気に生まれてきてくれたらどっちでもいいかな」
「そうですね」
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