エピローグ

3/6
659人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
「かわいい……」  ほんの少し頬を染めて呟く理玖だって、娘の反応に負けずに可愛い。 「未玖も、早く理玖に会いたがってたよ」 「ほんと?」 「うん、だから嬉しくて理玖の指をぎゅってしてるのかもね」  私がそう言うと、理玖が頬を染めながら頷いた。 「ほら。理玖も未知も、玄関で止まってないで中に上がって」  玄関先で靴も脱がずに屈んでいると、理一さんが苦笑いしながら私の肩をぽんと叩く。 「未知のお母さんも、待ってくれてるよ」 「そうだった」  理一さんに促されて娘を連れてリビングに連れて行くと、手伝いに来てくれた母が嬉しそうに迎えてくれた。 「可愛いー。寝てる顔が、未知の赤ちゃんのときによく似てるわ」  母にしばらく抱っこしてもらってから娘をベビーベッドに寝かせると、理玖がすぐさま近付いてきた。  娘が産まれる前に性別を伝えたときは「おとこのこがよかった」と号泣した理玖だけど、今は少しでも長く赤ちゃんのそばにいたいらしい。ベッドで眠る娘の寝顔をじっと見ていた。  実際に生まれてくると、性別なんて関係なく赤ちゃんが可愛いみたいだ。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!