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小高い坂道を、登り切った先にある
団地がある。
くねり切った道の先に、私が住む団地がある。
奥にも、3棟ほどある、まあまあ、大きい団地の
真ん中にある一階に住んでいた。
私の家族は、単身赴任を言い訳に、愛人宅に、入り浸る父親と、アル中の母親と6つ上の兄と
4つ上の姉と、5人家族だけど、ほとんどバラバラな家族だった。
周りは、みんなちょっと年上か、小さい子供しかいなくて、同じくらいの年の子は、いなくて
お兄ちゃんの後や、お姉ちゃんの後を、追いかけ回して、嫌がられ、仲間はずれにされた
お家に帰っても、誰も居なくて
誰もいないお家に、「ただいま」と声かけても
「おかえりなさい」と言って、出迎えてくれる
「お母さん」は、いない。
「お父さん」も居ない家の中で
1人、戦闘ごっこをして、遊んだりしていた。
夕方近くになると、お兄ちゃん、お姉ちゃんが
帰ってきて、空っぽの冷蔵庫から、
食べられそうなものを探す。
「お母さん」は、今日も、家には、いない。
近所のおばさんたちと、良く飲みに出かけては
よく、お酒に酔って、ベロベロの泥酔状態で
帰ってきては、お酒がないと、暴れて
お兄ちゃん、お姉ちゃんは、よく叩かれたり
蹴られたりしていた。家の中が、物が散乱して
「お母さん」は、暴れ疲れて寝るか、家には
帰らず、遊び歩いていた。
「お父さん」は、単身赴任で、物心ついた時から、いなかった。
たまに、訳の分からないお土産を、持って帰ってくる。
それが、普通だと思っていた。
「お母さん」は、「お父さん」が、帰って来てる時だけは、嬉しそうに、「お父さん」の好きなものだけを作り、機嫌取りしていた。
うちの「お父さん」も「お母さん」も
表面的には、良い母親、良い父親だった。
そんな二人が、大嫌いだった。
早く大人になって、こんな家から、出ようと
それしか、考えていなかったから
子供らしくは、なかったかもしれない。
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