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言われて何故だか血の気が引けた、だって財閥と言われている一家のイケメンの息子さんに、なんで私、誘われてるの!?
「……いえ……今日は、もう、夕飯の準備もしているし……」
大嘘を、ついてしまった。
「えーいいなあ、香織さんのご飯、食べてみたいな」
「……ええ!?」
それって、それって、プロポーズですよ!?
「あーさすがに今日は無理か。あ、じゃあ、今度の日曜日は空いてる?」
「はい!?」
日曜日!? なんで休日に会う約束なんか……!
「駄目なら、来週でも。ちょうど葵祭で場所取りはしてあるから、一緒に」
え? 待って。これは口説かれてるの? いやいや、きっとからかわれているんだ!
「どう?」
う……イケメンは、絶対自分がイケメンなのを自覚してると思う。上目遣いに私をじっと見て……年上のくせに子供みたいな仕草、甘えるような目つき……これを断れる女がいるのか!
「はい、今度の日曜日……大丈夫、です」
私が小さな声で言うと、彼は本当に嬉しそうに破顔した。
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