#1 恋からはじめよう(JK×高校教師)

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「いやいや、俺は鈴ちゃんより、10歳も年上で!」 「10くらい、どうと言う事はない」 明宏は冷たく答える。 「明次くんより年上なんですよ!? そんなの鈴ちゃんが嫌でしょう!」 「そうなのか?」 言われて鈴は肩を竦める、本当のことなど言えるはずがない。 「いやいや! 矢部の(たもつ)くんのほうが、鈴ちゃんと歳も近いし!」 鴨居にも年頃の男はいるが巴が鴨居からの輿入れだ、従兄とは言え長く同族婚を繰り返してきた一族はそれは避けたい、どうしても相手がいなければ選ぶが、今回は除外で確定だ。 だが残る矢部の家にいるたったひとりの男児は、鈴より学年で言えば5歳年下だった。 「保くんは、まだ中学生だ」 しかも一年生である。 「いつまでも中学生じゃないです!」 「鈴、お前はどうだ?」 突然話を振られて、鈴は顔がにやけないようにするのが精一杯だった。多少不機嫌に見えてもいいと思い、呟くように応える。 「そうねぇ、年下よりは年上の方がありがたいかなぁ」 「鈴ちゃん、落ち着け! 君は恋人がいただろう!」 「あー……」
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