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なんで知ってるんだ、と思ってしまう。確かにクラスは違えど同じ学校の男子だ、姿を見られていたか。
「……別に、別れてもいいし……」
そもそも大好きで付き合っているわけではない。告白されて、別に誰でもいいと思っていたから交際を始めた。
そう、想い人は、ただひとりだ。
「そんな、家に身を捧げることないんだぞ!」
言ってしまってはっとする、隣にいる妹の夏菜子は、まさに生まれた時から身を捧げようとしてきたのに。
「あ、いや、その……」
「そんなに私じゃ嫌?」
鈴の言葉に、侑斗は更に言葉に詰まる。
「なんだ、侑斗さんは鈴を拒絶するほど、大切な人がいるのか」
明次に言われ、侑斗はぐっと息を呑む。
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