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⑤
「す、すまない」
「何が?」
圭佑は首を傾げながら聞いてきた
「お前も体調が悪かったなんて、気づかなくて」
「え、え!?俺どこも悪くないよ?」
「?そうなのか?でも顔が赤くなっていたから」
「あ、あぁ違うよ大丈夫だからありがとう」
そう言って圭佑は俺の頭を撫でた
「ガキ扱いすんな」
そう言い圭佑の手を払い除けそっぽを向くとあははっごめんごめんと言いながら圭佑はまた撫でてきた。
こいつわかってねぇな…
ガラッと保健室の扉が開く音がした
「おっ目ぇ覚めたんか」
声のした方を見ると無造作に伸ばした髭が特徴的な先生が来た。
「誰ですか?」
「えぇ、俺の事知らねぇの 保健医担当の堀川 彰人(ホリカワアキト)だよ…」
としょげながら話してくる
「あ、すみません堀川先生ですね。保健室のベッドお借りしてしまって申し訳ないです」
「あぁ、いいよ。どうせ使うっつったって授業サボって昼寝するのが殆どだからな」
「あはは…」
俺は苦笑しながら先生の話を聞いた。
「それより赤坂、お前今から病院行くぞ」
「へ?」
意味が分からなくて変な声が出てしまった。
「だから病院行くぞって」
「何かあったんですか?」
圭佑が俺の手を握ってきた。
「大丈夫だ。倒れたから一応見に行くだけだ」
「はぁ、なら良かった」
手の握り方でどれだけ心配しているかが伝わった。心がぽかぽかする。なんだろうこれは
「まぁ、とりあえず行くぞ」
そう言うと俺の手を引っ張り病院へと出かけた。
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