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⑥
「先生って運転できたんですね」
「あ?喧嘩売ってんのか?」
「いえっそんなことは」
俺は焦りながら答えた
「ははっ怒ってねえよ」
そう言い先生は俺の頭を撫でた
最近の流行りなのか?
そんなことを考えていると病院に着いた。
ここは先生の友達が働いている病院らしい
友達いたんだ
受付をして順番を待っていると名前を呼ばれた。
「赤坂さーん、どうぞー」
そう言い俺は立ち上がった。
ガタッ
「うわっ」
足元がふらつき崩れ落ちそうになったのを先生に助けられた。
「何やってんだよ、俺も着いてく」
「ありがとうございます。」
また胸のあたりがぽかぽかした。
扉を開け指定された椅子に座ると前には美しい人がいた。
「き、綺麗」
さらさらの黒髪に美しいな顔立ち。俺が女性だったら気絶しそうだ。
「綺麗だなんて、ありがとう。初めまして生駒 絢(イコマジュン)です。」
「は、初めまして赤坂恭弥です」
「恭弥くんね。恭弥くんちょっとこっちに来てくれない?」
そう言い先生は俺を奥の部屋に連れ出した。
「ごめんね、いきなり」
「いえっなんでしょうか」
「先週あった身体検査覚えてる?」
「はい、覚えてますけど」
あれ?診察じゃないのか?
「そこでね君の身体は病気にかかっていたんだ。ALTというものでね早く治療すれば治ったんだけど、もうとても大きく拡がってしまっていて手が付けられないんだ。」
そう言うと先生は泣き出した。
「ごめんね、ごめんね早く気づいてあげられなくて。辛かったよね。苦しかったよね」
なぜ泣いているのだろう。
「なぜ泣いているのですか?先生は悪いことしてないですよ?」
「っ、そうだね。これから入院して少しずつ生きる道を探していこう」
?何を言ってるんだ?
「俺入院しませんよ?」
「「え?」」
後ろにいた堀川先生も反応した。
「え?だから俺入院しませんよ?」
「な、なぜだか聞いてもいいかな」
「俺、学校にも行きたいし働かなくちゃいけないので。入院しません」
「え?お金は大丈夫だよ。親御さんは?」
「います。けど働くのが俺の仕事なので」
「っ!す、すまないそうだったねごめんね」
「ちょっと彰人来てくれ、恭弥くんちょっと待っててね」
そう言うと堀川先生と生駒先生はさっきの部屋に戻っていった。
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