借金で繋がる恋もある

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「絵里が死ぬまで……たとえ死んだとしても、オレは絵里を離さない。だから、いつまでもオレの側で幸せにしてやるよ。」 恥ずかしがることなく、そう口にした裕樹さん。 冗談や嘘をついている様子は全く無い。 心の底からそう思ってる。 無条件にそう感じる。 死してなお裕樹さんに愛されるなんて…… 裕樹さんより先に、この世からいなくなるつもりなんてないけれど、それでも、そう言える程にあたしを想ってくれる……。 「裕樹さん…」 胸が温かい気持ちでいっぱいで、溢れてしまいそう。 ……涙が…… 感極まって、涙腺が緩んだみたいで、目元が熱くて視界がぼやけてくる。 そんなあたしの変化に裕樹さんは気がついたようで、「泣くなよ」と頭に、額に優しいキスを落としてくれる。 頭を撫でられて、キスを落とされて。 滲んでいた涙が落ち着いた頃、裕樹さんが口を開いた。 「次、いつが休みだ?」 「次?……メモリーの定休日だよ。水曜日ね。」 「ん、わかった。何がなんでも休むから、次の水曜に指輪を買いに行こう。」 ………へっ? 突然の提案……しかも、指輪を買う? 「婚約指輪(エンゲージリング)結婚指輪(マリッジリング)。あと虫よけに、これみよがしなネックレスも欲しいな……。」 ………えっと……… 「早いうちに陽子さんに挨拶して、オレの親父とおふくろとも会ってもらって。顔合わせも…。結納とかは別にしなくていいよな?時間もかかるし、色々面倒だ。……もちろん、絵里が必要だからすると言うなら、面倒でもきちんとするよ。あと、組の奴らへのお披露目ぐらいは簡単にするとして……。式はどうする?絵里の希望に合わすけど、オレは絵里の花嫁姿が見たいから、できればしたい。」
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