紅い祝宴

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 お酒に料理に祝宴は大いに盛り上がる。 「それにしても、2人はまだ来ぬのか」  その肉片が口に運ばれるたびに クローネは涙と笑いを堪えていた。 「もうすっかり料理も無くなってしまうが」 「作ってから時間もたっておりますし 全て召し上がっていただいた方が良いかと」 「それもそうか……」  夫はそういうと、一口また一口と 料理を口に運んでいく。  皿が(から)に近づく度にクローネの中に 喜びとも悲しみとも言えない何とも言えない気持ちにが広がっていく。 そして、皿がすっかり空になったのを確認してからクローネは夫に言った。
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