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悪役令嬢の噂
―― 懈怠、懐胎、解体 ――
クローネは炎を放つ。
「あははっ、あははははは!
やった、やってやったわ」
炎上する城から裸足で駆け出し、炎より赤い髪を持つクローネは心の底から笑っていた。
「お兄様……これで、私を
私をお迎えに……」
その場に崩れ落ちると、その高価なドレスが汚れることも気にせず、今度は涙を流し始めた。
「もう……生きている意味などない」
クローネはとある国の姫だった。
呪われた国の呪われた紅髪の少女を待っていたのは。
憧れた……憧れ続けた人との未来ではなく。
―― 政略結婚 ――
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