春を待つ桜

3/180
前へ
/180ページ
次へ
 お母ちゃんもまたシレッと答えるから、今日はカレー思ってたけど、肉買い忘れたからチャーハンに変更やでみたいな親子三人の会話が成立したのかしないのか、その後からの怒涛の生活の幕開けとなるんやけれど。  お母ちゃんも、今までも働いていたけどほんの短い時間やったから、保育所に迎えに来てくれた後は一緒に過ごして今日あった事をいろいろ聞いてもらって(私は外面いいから、ほとんど友だちの悪口言って気い晴らしててん)スッキリさせて、また明日と気持ちをリセットさせててんけど、なんでお父ちゃんはお店のチョイスを食べ物屋さんにしたんや?家庭料理の店って、『娘にはその家庭料理がおざなりなんですけどって言う事態が発生してるっちゅうねん』と荒れる小学生に向けてこの時、下地が出来たと思うわ。  そういった怒涛の家庭環境の変化もあり、近所の美輪さんっていうおばちゃんがしばらく大活躍してくれんねんけど、この美輪さんが引っ越ししはることになるのが、ちょうど小学校の入学式を済ませた直後。 「桜が学校終わってからどうする?」 「そうや、学童って聞いたことあるで」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加