7Night ―― 花束をキミに

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✳ 「そういえば、さっきクロードさんから言付けを承った」 すでに綺麗だった墓石を軽く吹き上げながら、思い出したように顔を上げるカルム団長。 私は、花を供えていた手をピタリと止めた。 「⋯⋯なにを?」 彼はバケツで雑巾を絞ったあとに、立ち上がるついでに私睨みあげて――。 「『そろそろ陛下と食事を再開していただけませんか?』だとよ」 「――――」 「何があったか、わからねぇけど、もう三週間だぞ? 毎日陛下がお声かけてくださるのに、いつまで意地はってんだよ」 すでに供えてあったブルースターを見つめたまま、私はどう答えればいいのか考えあぐねた。 そう――。 書庫での一件以来、私はルイナードとなるべく顔を合わせないように生活をしてきた。 共にしていたディナーの席は理由をつけて断りつづけて、部屋の外での用事は、彼の公務の時間内に済ませるようにしている。 しかし、避けているのは私だけで。ルイナードの方は悔しいくらいに平常だ。 あの日もいつも通り食事に来るように誘ってくるし、顔を合わせれば毎回体調を伺ってくる。
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