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整形家族
買い物から帰ってきた母と私は、居間に座っているイケメンを見つめていた。
「誰?」
イケメンは応えない。しかし私は右耳の後ろのホクロを見逃さなかった。
「そのホクロ、パパでしょ!」
イケメンはニヤリと笑った。そしてイケメンは耳のつけホクロを取り外した。違ったか。
しかし、ぱっちりの二重、小さい顔に高めの鼻。血筋なら突然変異だ。誰だ。兄か弟か、まさかおじいちゃん?
イケメンはゆっくりと立ち上がると、隠していたフリルのスカートをなびかせた。
「お姉ちゃん?!」
姉はいつもの笑顔で無邪気に笑い出した。
「ていうか里穂、隣は誰?」
「えっ?」
「バレたか」
母は入れ歯を外した。ひいおじいちゃんだ。
「ひいおじいちゃん、また?」
「いいじゃろ。ほら、ポチに餌買ってきた」
母(曾祖父)はポチの居場所を探し始めた。
しかし、この家族は私がポチである事にはまだ気づいていなさそうだ。
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