ギックリ首

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ギックリ首

朝、地震で慌てて目覚めた。地震は収まったが、頭が右を向いたまま動かない。いや痛くて動かせない。ちょっと動かそうとすると首から左肩辺りに雷が落ちるような痛みが走る。 ボーントゥービー右向き男のまま医者へ向かった。 「どーしたの?」 「痛いのは首から左肩あたりだけですけど、体のどこ動かしても左肩の痛みがやばいです」 「ギックリ首だね。ギックリ腰みたいなもん」 医者は続けた。 「知ってるかい?月の光がギックリ首に効くって。痛みが和らぐ音色が聞こえるとか」 ファンタジーには興味ないが、藁にもすがる思いで夜を待った。しかし一向に夜が来ない。何時間、何十時間経っても夜が訪れない。 どうやら朝の地震で地球もギックリ軸を起こしたようで、地球も痛くて自転できなくなっていた。 「大丈夫?」僕は頭を右向きにしたまま優しく地面をさすった。すると地球が嬉しくて照れたのか、空が少しずつ赤く染まってきた。
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