うなされた日

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うなされた日

体が熱い。骨が震えるような寒気がする。薬を飲んで眠った。しかし寝れない。更に体温は上がり、頭がボーッとし始めた。 そうか、ここは雪山だ。 布団の周りには深い雪が積もっている。息を吸う度に鼻を刺す冷気を感じ、肺の奥まで凍らせた。 見上げた空から、蒲公英の綿毛を籠一杯ばらまいたような大量の雪が降ってきた。 このまま雪に覆われてこの世界から見えなくなるんだろう。私、何もできなかったな。後悔しかない。 雪が私の頬に触れ、小さな音を立てて溶けた。よく耳を凝らすとその音が聞こえた。 ダイジョウブ オダイジニ それは小さな小さな励ましだった。そして私に降り積もる小さくとも大量の雪は、私の高熱をゆっくりと冷やしてくれた。私はその心地よさで眠りについた。 数日後熱が下がり、私は部屋にいた。あれは幻覚だったのかもしれない。 ただ、ありがとうと伝えたい人々が沢山いる事だけは現実だ。
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