宇宙貨物船トモロフ号奇談

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「あー、なるほど」 「さー、それじゃ、その最後の物件に向かうとするか」 「ラジャー!」  ゲンは笑顔で操縦レバーを握った。  宇宙貨物船トモロフ号は、ゆっくりとマソラ第1惑星を離れると、スピードを上げる。  二人の視界には、もう第9星系が見えていた。 「この調子でいくと、予定より早く地球に戻れそうですね」 「いやいや、まだ安心は禁物だぞ。先日も、最後のスケジュールを済ませた時点で、予想外の隕石に出くわしたからな」 「そうですか‥‥。ラジャー‥‥」  ゲンは、慎重に大宇宙を見渡した。  しかし、トモロフ号が進行する大宇宙は、きわめて静かで何の異変も認められなかった。
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