宇宙貨物船トモロフ号奇談

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 2121年X月X日‥‥  ここは、地球から気が遠くなるほど離れていて、とてつもなく暗く寒い所。  その日も、宇宙貨物船トモロフ号は、本部から受信したスケジュールを元に、仕事を続けていた。  ちなみに、この船の大きさは、超豪華ホテルがスッポリ納まる感じ。  乗員は、船長と相棒の男二人だけだった。  相棒のゲンは、3トンの廃棄物を積み終え、ミーティングルーム中央のデジタルイメージに、画像として現れた―― 『収集スケジュール』 √ HP第2惑星 基地倉庫 廃棄物2トン。後に処理 √ GM第5惑星 基地倉庫 廃棄物4トン、 同。 √ ナノス第8惑星 基地倉庫より 廃棄物5トン。後に処理。  マソラ第1惑星 基地倉庫より 廃棄物3トン、 同 SR第9惑星 基地倉庫 男7 女3の病死体(カ)後に処理  を見ながら、四件目の項目にチェックを入れた。  しかし再度、画像を見たゲンが、 「ジム船長、この最後にある(カ)って何ですか?」  船長のジムは、燃料の残量を確認しながら、 「あー、それは、すべてカプセルに収納済ってことさ」
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