Ⅵ MY HOME TOWN,YOUR HOME TOWN

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 戸惑うわたしに、彼女は駆け寄ってきてガラスをノックしてくる。つい開けてしまうと、元気なの声が車内に飛び込んできた。 「車で来たんだね、おれの車の前に置いていいよぉ!  待ってて、いま兄ちゃん呼んでくるからー!」  ……おれ? ……兄ちゃん?  なんだか嫌な予感を覚えながら車を停める。外に出ると、家からは、今朝がた横浜に置いてきたアイツが、ちょうど飛び出してきたところだった。  その姿についホッとしてしまうけれど……、あれ、おかしいな、目が合わせられないぞぉ……? 「……栞里(しおり)? なんでわざわざ、急にうちまで……?」  ……あ、うん、はい。いま、わたし自身も猛烈にそう思っております。  相変わらず視線をまともに合わせられないまま、「あはは……」なんてごまかしていると、目の前の将基(まさき)がくしゃりと表情を崩す。 「……まぁ、無事でよかった」  ……まったく、そういうやつだよな、君は。  そんな将基(まさき)の優しさにとうとういたたまれなくなって、すこしの沈黙ののち、とうとうわたしは顔を手で覆いながら、 「ごめんなさいぃ~……!」  と言うのが精一杯だった。
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