3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
名家に連れられた翌日、あたしは家事全般を任された。掃除洗濯炊事はもちろん、家の中の雑務まで。同時に、屋敷のメイドたちは一斉に解雇された。
「これで人件費を大分削減できたわ。でも安心して、浮いたお金はちゃあんとアナタの教育費に充てるからね」
ババァはにんまりと笑いながらあたしに耳打ちをする。
冗談じゃない。
そりゃ、あのとき話の流れで『家を失ってしまったの』『何でもするから拾ってください』なんて涙目でいってみたけれど、この仕打ちはない。
水仕事なんて手が荒れちゃうわ。あたしは街の男たちを適当に引っかけて、言いくるめて手伝いをさせた。
知ってる?女の涙ってね、金になるのよ。
----------
「シンデレラ、いつもごめんね。わたしがもっと家事ができれば、手伝ってあげられるのに…」
「気にしないでください。居候の身である以上、これくらいは当然ですから」
最初のコメントを投稿しよう!