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思ってもいないことをつらつらと述べて、貼り付けた笑みを浮かべる。事情を知らないためか、義姉は何かとあたしに構ってくるようになった。
「ねぇシンデレラ、ちゃんとごはん食べてる?あなた、ずいぶん痩せたみたいだけど…」
食事?
あのババアが寄越すゴミのようなメシは、野良猫にでもくれてやったわ。
あたしが受け付けるのはじっくり煮込んだ肉のスープや、ちっちゃくて可愛らしいカップケーキなの。あたしの身体を形づくる食物が、粗末なものであっていいはずないでしょう?
ババァはあたしの行動に薄々気づいていたようだったが何もいわなかった。
そりゃそうか、なんせあたしのほうが義姉さんより優秀だから。
要領よくて見目のいいあたしと、不器用で容姿も能力もそこそこな義姉、どちらが将来有望かなんていうまでもないことだ。教育を除いたこの待遇格差も、じき逆転することだろう。この家はあたしのもの。
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「ねぇ、シンデレラは将来どうなりたいの?」
「はぁ?」
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