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そう吐き捨てると、ババアはあたしを連れてそそくさと部屋をあとにする。
出かける間際、2階を見上げると階段のところに義姉がいた。
ババアは気づいていない。
起き上がるのもつらいだろうに、どうしたのか。
義姉は手をふりながら口をゆっくり動かす。
『あ り が と う』
音こそ発せられなかったが、彼女は確かにそういって微笑んだ。
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新調したばかりのきらびやかなドレスを着て会場に躍り立つ。
視線が一斉にあたしのもとへ集まってくるのがわかった。
ああ気持ちいい。
「なんて可愛らしい方なんだ……!」
男なんて単純ね。女の外見しか見ていないんだもの。王子様とやらも例外ではなく、たちまちあたしのとりこになった。熱烈な求婚を受け、明日明後日にでも式をとり行うこととなった。
これにはあのババアも歓喜。
「あぁ、シンデレラ。おまえこそが私の本当の娘!あなたはなんて親孝行者なんでしょう」
よくいうよ、子どもを自分の玩具にしか見ていないくせに。家においてきた実の娘――義姉に対する扱いがまさにそれだ。
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