一話 変わり目

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「死んじゃったね。」 流石に自殺するとは思わなかった。 「んー、リンにとっても大切に思われていたって事だよね!私は嬉しいけど?」 取り敢えず、分かったことがある。この人は、どんな人よりも狂っている。僕なんかよりもずっと。 「まぁ、とにかく外に出るのは控えてね。見つかると後々面倒沙汰になりそうだから。」 彼女は笑顔で 「りょーかい!じゃあ後はよろしくね!ナギサ!あ、ご飯もよろしく!」 「うん、そうだねー。」 僕は部屋をそっと出た。周りにはやはりまだ人が居ない。明日まで、特にすることもないからブラブラしてよーかなぁ。んーちょっと眠いなぁ、、、。 「ん?今って、、、、22時!?どおりで、、、、、、」 そりゃー、眠いよね。いつもゲームしてるから寝るのはもうちょっと遅いけど。楽しいよねー。 「んーじゃあ部屋に行ってみようかなぁ。」 頭も整理したいし。 ーーーーーー 『さて、楽しくなってきましたねぇ。幾らでも幾らでも、、、、彼らは偽善者であり、犯罪者なのですからぁ!さぁ、祈りましょう、崇めましょう。』 彼女は、、、、求める。彼らの魂も、これらの命も。 『始めましょう、このデスゲームを。』 全ては彼女の為に。 ーーーーーー 僕はのんびり廊下を歩きながらリビングへと向かった。遺体があった場所には血一つ残っていないねー、、、。ふふ、まるで最初から何もなかったかのように。 「んー」 僕はゆっくり伸びをした。少なくとも明日のお昼12時までは特に何も起こらない筈だからね。 「ガチャ」 リビングの扉を開けると誰も居なかった。 「ちぇー、みんな寝てるのかな?それともあの会議室から動けないとかー?」 僕は冷蔵庫を開けて、何かないか探していた。 「おっ、このバナナ美味しそー。」 だから、油断していた。 「ムグッー!?」 背後から突然口を塞がれた。眠気が襲う。どういうこと、、、?だって、だって、、、睡眠薬は、、、無い、、、筈じゃあ、、、、。 必死に犯人の顔を見ようとした。だけどその前に、僕の意識が途切れた。 ーーーーーーーーー 「んぁー、眠いよぉー。」 私はのんびりとナギサの帰りを待っていた。 「まだかなぁー、、、、遅いなあ。」 正直この中はあんまり空気が良いわけじゃないんだよね。もしかしたら、もう寝たのかもしれない。ご飯、、、、まぁいっか。 「、、、、、、、、なんで私ここに居るんだろう?」 『あの記憶』が浮かび上がる。最低で最悪な記憶。外の世界は最悪な事ばかりだ。暗く狭い場所に入れられて、毎日毎日毎日蹴られて殴られて、、、、心の中から汚されたあの記憶。誰も救ってくれなくって、結局自分で孤児院に行った記憶は対して懐かしいものじゃない。新しい日々は正直、周りの大人が怖いと思ったけど、、、それでもあんな日々よりかはマシだよ。 「ふぅー」 そんな時会ったリンはとてもとても、正義感溢れていて、、、、何より綺麗だった。人を殺したとは思えないその瞳に惹かれた。だから、彼女をあの組織へと招待した。今じゃ、総幹部まで登り詰めている。 けど、 リンは死んだ、なのに 「私ってなんで生きてんだろ。 リンだけが、私の生きてる理由なのに。」 私はそう呟いた。誰にも聞こえない、一人ぼっちの暗い部屋で。 前と同じ日々を恐れて。 ーーーーーー ナギサ所持品 ・タブレット端末 ・カード ・〇〇の部屋の日記 ・2人の人物が写っている写真(リンと 「蒼」と名前が書かれている) ・参加者資料 ーーーーーー 次回は5/1(土)公開予定!
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