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「死んじゃったね。」
流石に自殺するとは思わなかった。
「んー、リンにとっても大切に思われていたって事だよね!私は嬉しいけど?」
取り敢えず、分かったことがある。この人は、どんな人よりも狂っている。僕なんかよりもずっと。
「まぁ、とにかく外に出るのは控えてね。見つかると後々面倒沙汰になりそうだから。」
彼女は笑顔で
「りょーかい!じゃあ後はよろしくね!ナギサ!あ、ご飯もよろしく!」
「うん、そうだねー。」
僕は部屋をそっと出た。周りにはやはりまだ人が居ない。明日まで、特にすることもないからブラブラしてよーかなぁ。んーちょっと眠いなぁ、、、。
「ん?今って、、、、22時!?どおりで、、、、、、」
そりゃー、眠いよね。いつもゲームしてるから寝るのはもうちょっと遅いけど。楽しいよねー。
「んーじゃあ部屋に行ってみようかなぁ。」
頭も整理したいし。
ーーーーーー
『さて、楽しくなってきましたねぇ。幾らでも幾らでも、、、、彼らは偽善者であり、犯罪者なのですからぁ!さぁ、祈りましょう、崇めましょう。』
彼女は、、、、求める。彼らの魂も、これらの命も。
『始めましょう、このデスゲームを。』
全ては彼女の為に。
ーーーーーー
僕はのんびり廊下を歩きながらリビングへと向かった。遺体があった場所には血一つ残っていないねー、、、。ふふ、まるで最初から何もなかったかのように。
「んー」
僕はゆっくり伸びをした。少なくとも明日のお昼12時までは特に何も起こらない筈だからね。
「ガチャ」
リビングの扉を開けると誰も居なかった。
「ちぇー、みんな寝てるのかな?それともあの会議室から動けないとかー?」
僕は冷蔵庫を開けて、何かないか探していた。
「おっ、このバナナ美味しそー。」
だから、油断していた。
「ムグッー!?」
背後から突然口を塞がれた。眠気が襲う。どういうこと、、、?だって、だって、、、睡眠薬は、、、無い、、、筈じゃあ、、、、。
必死に犯人の顔を見ようとした。だけどその前に、僕の意識が途切れた。
ーーーーーーーーー
「んぁー、眠いよぉー。」
私はのんびりとナギサの帰りを待っていた。
「まだかなぁー、、、、遅いなあ。」
正直この中はあんまり空気が良いわけじゃないんだよね。もしかしたら、もう寝たのかもしれない。ご飯、、、、まぁいっか。
「、、、、、、、、なんで私ここに居るんだろう?」
『あの記憶』が浮かび上がる。最低で最悪な記憶。外の世界は最悪な事ばかりだ。暗く狭い場所に入れられて、毎日毎日毎日蹴られて殴られて、、、、心の中から汚されたあの記憶。誰も救ってくれなくって、結局自分で孤児院に行った記憶は対して懐かしいものじゃない。新しい日々は正直、周りの大人が怖いと思ったけど、、、それでもあんな日々よりかはマシだよ。
「ふぅー」
そんな時会ったリンはとてもとても、正義感溢れていて、、、、何より綺麗だった。人を殺したとは思えないその瞳に惹かれた。だから、彼女をあの組織へと招待した。今じゃ、総幹部まで登り詰めている。
けど、
リンは死んだ、なのに
「私ってなんで生きてんだろ。
リンだけが、私の生きてる理由なのに。」
私はそう呟いた。誰にも聞こえない、一人ぼっちの暗い部屋で。
前と同じ日々を恐れて。
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ナギサ所持品
・タブレット端末
・カード
・〇〇の部屋の日記
・2人の人物が写っている写真(リンと
「蒼」と名前が書かれている)
・参加者資料
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次回は5/1(土)公開予定!
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