二話 だから嫌だった

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ーナギサが目覚める約5時間前ー(大体10時ぐらい) 「、、、、、、、、」 リビングは恐ろしく静かだった。それこそ、気が狂いそうなくらいに。当然といえば当然かもしれない。もう、10時なのにほとんどの人が朝ご飯にも手をつけずリビングでぼっーとしていた。そして、私、、、、、中柱アンナもその1人だった。 「、、、、後、2時間だね。」 そんな言葉を、シンさんが呟いた。そうして、私達はその言葉の意味を悔しいけど、すぐ理解した。 「っ、、、、やめろぴょん!!!」 今にも泣きそうな声で彼女、、、ミウサちゃんが叫んだ。そう、、、2時間後、色が、次に誰かを殺す殺人鬼が、発表される。その人は5時間以内に殺さなきゃ行けない。もはや、私達にとってそれは逆らえない運命にあった。どうすれば、脱出出来るのかと考えた時ももちろんあった。けど、けど!どこにも出口なんか無かった。いつまで、これは続くの?主犯者が死ぬまで?、、、、その答えを知っている可能性があるのは、、、、、 『はぁーい、皆さんー!どうかしましたー?元気ないですねぇー?」 トコトコと場違いなぐらい元気な声でこのゲームを進めるマスコット(?)のズミがやってきた。 「元はと言えばお前のせいだろ!」 机をガンっと蹴ったリュウさんはイライラを隠す気もないみたいだった。 『?何がですー?私はただのマスコットキャラクター!皆さんを連れてきたのはあの黒幕でしょー?』 まさに、キョトンという感じだった。その目は純粋無垢で、自然とゾワッという感覚が身体中を巡る。 「、、、、。そうかも、しれない、、、けど、、、こんなこと、、、、酷いよ、、、」 私が絞り出した声は何時もより震えているのが自分でもわかるぐらいだった。 『酷い?酷いって『何がですか?』良く分かんないんですけどぉー?』 恐怖、それ以外には何も無かった。 『じゃ、あと1時間ですねー!皆さん人生最後になるかもしれない今日を楽しんで!!』 その一言が、相手を疑う言葉となっていた。彼女がまたトコトコと去っていくのを私は唇を噛んで見ていた。 「これから、どうしよう、、、、?」 ゼラさんのその言葉に、空気が更に重くなる。どうしよう?きっとどうも出来ない。私達に出来るのは互いを疑い、自分の身を守る事だけだった。 「ねぇ、そういえばナギサは何処に行ったの?」 その沈黙を破るようにアイラさんが誰にともなく聞いた。 「確かに、、、どこに行ったんだろー?」 コトハちゃんが、その疑問に同意した。確かに、彼以外全員この場に居た。全く今まで気がついていなかった、、、。 「ふむ、我も見ていないぞ?」 ユウカちゃんも首を振りながら言った。 「まぁ、あいつのことだし問題ねぇだろ。つーか他人の心配なんかしてられっか。」 リュウさんのイライラは多分、どこにもぶつけられない。だからこそ、溜まりに溜まっているのだろう。 「んー、、、!じゃあ、私はーその辺歩いてなぁんか良いものないか探してこよっかなぁ?ついでにナギサくんも!」 コトハちゃんが元気よく、リビングから出て行った。なんであんなに元気なんだろう、、、、私は動く気力すらもう残っていないのに。 「じゃあ、探してくるよー。シンさん一緒に行こう?」 「え?あ、うん、いいよ。」 ゼラさんとシンさんも立ち上がり何処かへと消えていった。  「、、、、、、、、、チッ、、」 リュウさんも舌打ちして部屋を出ていった。 「ふぅー、我も行くか、、、何か掴めると良いが。」 ユウカちゃんは多分ナギサくんを探しに出ていった。 「私は、、、、、、どうしたら、、、いいんだろ、、、?」 机に頭を預けて言ってみたものの、答えは出なかった。 「こんな時」 突然、アイラさんがそう言い始めた。 「こんな時、僕なら本を読むかな。」 その発言でようやく、私が発した質問の答えだと分かった。 次回は5/3(月)公開予定!
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