二話 だから嫌だった

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その発言でようやく、私が発した質問の答えだと分かった。 「違う世界に入り込むって言うの?なんて言うかさ、これは多分、現実逃避に近いものだけど、それでも、少しは落ち着くと思う。」 淡々と彼は答えた。 「、、、、、、現実逃避して、、、でも、 、、何も、、、変わらない、、、よ?何、、、、も起きない、、、、」 私のネガティブな発言にアイラさんは優しく答えてくれた。 「、、、なんて言うかねー、確かに何も変わらないし何も起きない。けど、心の落ち着きにはなるかな、って事?まぁ、そんな感じ。」 最後の方は少し照れ笑っていた(マスクをつけているから勘だけど) 「、、、、、心の、、、、落ち着き、、、、か、、、、」 私は深呼吸をした。少しだけ、ほんの少し楽になったような気もする。 「、、、、多分、そうだよ。」 突然、ミウサちゃんがそんな事を呟いた。気をつけていないと聞こえないほど小さい声。 「ん?何、、、?」 私は彼女の言ったことがよく分からなかった。何に対しての同意? 「、、、、このまま、一生ここで過ごすことになるんだぴょん。そうして、みんな殺人鬼になって、、、それで、、、、、どうするぴょん、、、、?」 ミウサちゃんはきっと疲れ切っている。何も考えられないぐらいに。そして、その質問には私も、アイラさんも答えられなかった。 「その時はー、、、、、その時考えよう。」 アイラさんが当たり障りのない答えを返した。私はふと、とある人物の顔が浮かんだ。 「、、お姉ちゃん、、、、」 日和リンカ 彼女は私の姉だった。でも、両親が離婚してしまって、、、私は、、、彼女とはもう会えなくなってしまった。こんな、いつ死ぬかもわからない所で彼女の事を思い出すなんて。なんで、もっと前に会わなかったんだろう。 「、、、お姉ちゃん?お姉さんが居たぴょん?」 ミウサちゃんが私のその一言に反応した。 「、、、え?、、あ、うん、、、居たけど、、、」 私が疑問交じりで言うと 「っ!!!!あ、そ、その子の名前は!?」 ミウサちゃんは慌てた様子でその事を聞いてきた。なんでだろう? 「、、、、?日和リンカ、、、だけど、、、?」 その名前を言った途端、ミウサちゃんは絶望的な顔をした。そして、私に紙を渡してきた。 「ねぇ、これ見てほしいぴょん、、、!」 それは『鬼の再現物語の真相』と書かれていた。 「、、、、これが何?、、、」 私は頭にハテナマークを浮かべて聞いた。 「ここを見てほしいぴょん。」 『日和リンカ、彼女は親から虐待を受けていた。ある日、親に金を請求され持ち金がなかった彼女はレンとサヨネが殺した後鍵が開いていた春風家に侵入した。』 そんな文があった。そんな、、、、事、、、、、、あった、、、、? 「知らない、、、、虐待?あぁ、、、親が離婚した後、、、のことか、、、な?」 虐待をされて、お金がなくて、、、家に盗みに入った、、、。そんなことあるわけないと心に言い聞かせようとする。だけど、出来なかった。 「後、もう一つ聞いてほしいことがあるぴょん、、、、その、、、、」 悪いニュースであることは明らかだった。 「、、、、その、、、彼女は、、、五年前のこの事件で、、、、もう、、、 死んでる、、、、、ぴょん、、」 、、、、、、、、、そんな、、の、、、、 「嘘だよ!!!、、、、そんなの!、、、あー、、、あ、あぁ、、、、、。」 私は倒れ込んでしまう。もう、嫌だ。 ねぇ、神様。いるなら答えてよ。私からいくつ希望を失くせば気が済むのですか、、、?
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