俺の親友がこんなに可愛いはずがない!   

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チャイムが鳴った。 今日は入学式なので2時間で 帰ることができる。 古谷先生が連絡事項を話し始めた。 「入学早々で申し訳ないですが、 明日ベノッセの模試があります。 自分の学力を知る大切な試験なので 必ず受けること。」 「模試の後は学校生活に関する オリエンテーションを行います。 全員体育館に集合するように。」 「最後に。通学定期券についてです。 まだ学生証が 配布されていないので 代わりに通学証明書を配布します。 購入の際は通行手形と この通学証明書を必ず持参すること。」 通行手形。俺にとっては嫌な記憶しかない。 「ではこれでホームルームを終わります。」 長い話がやっと終わった。 「光、一緒に帰ろ。」 「さっきの話なんとも思わないの? 普通はそんな事あるわけないじゃんとか 思うだろ。」 「別に何も思わないよ。」 本当だろうか。普通は疑うのに。 「さっき言ったじゃん。 それよりさ今度どっか行かない?」 「例えば?」 「ディズニーとか。 新エリアも出来たし。」 「この世界にもディズニーがあるのか?」 「何言ってんの。あるよ。そりゃ。」 そうなのか。 「ランドとシーどっちがいいんだ?」 「ランドがいい!」 そう新菜はディズニーが好きなのだ。 俺は新菜と何回もディズニーに行った。 何回も集合時間に遅れて殴られた。 今となっては懐かしい思い出だが。 あと、カップルの真似をしたくなって 何回も手を繋ごうとして殴られた。 あっ、これは俺が悪かったかな。 話が逸れてしまった。 新菜はディズニーキャラクターの名前も みんな知っているし、パークの アトラクションについても詳しい。 いわゆる「ディズニーオタク」ってやつだ。 それはここでも変わらなかった。 「じゃあ今度のGWに行くか?」 「ちゃんとチケット取ってよね!」 「もちろん。」 新菜と話をしているうちに新宿に着いた。 「バイバイ。また明日ね。」 「うん。」 新菜と別れ帰路につく。 夕方まで近所のゲーセンで暇つぶし。 「頭文字F」に没頭する。 よい子は真似するなよ。 昼間から制服でゲーセンに入り浸っていたら 補導されるぞ。 家に帰ると母親が夕食を作って待っていた。 父親は自分の部屋だろう。 うん、あれは俺の母親だ。間違えない。 向こうの世界の両親は 今何をやっているのだろうか。 考えるとややこしくなってきた。 「学校はどうだった?」 「普通だったよ。」 「明日も学校あるんだからこれ食べたら 夜更かししないで早く寝なよ。」 「へーい。」
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