21人が本棚に入れています
本棚に追加
いろいろあったけどなんとか
来れて良かった。
でもそのとき最悪の展開が俺の
頭をよぎった。
もしも新菜の存在が
消されてしまっていたら・・・。
それは本当に最悪だ。
話す相手も居ないし
それに、折角急いで来たのに
会えないなんて。
誰にこのことを相談すれば
いいんだよ...。
でもLINEも問題なく送れたし返信もきた。
多分大丈夫だと思う。
いや、そう信じよう。
でも新菜の存在が消えなかったのは
いいとして元いた世界の
新菜はどうしているのだろうか。
きっと今頃は怒っているに違いない。
数分後。
約束の場所に新菜は居た。
「あっ。新菜!。」
誰だこの美女。
見かけこそ新菜そのものだが
前見た時よりも可愛くなっている。
この世界は美女しか
存在しないのだろうか。
それとも俺が今まで新菜の魅力に
気づいていなかっただけなのか?
「光。おはよう。早くいこ。」
「うん。行こうか。」
緊張で汗が止まらない。
もはや相談どころではなかった。
「どうしたの?顔色悪いよ。」
「な、なんでもねえよ。大丈夫。」
「ふーん。なら良かった」。
落ち着け俺。新菜ももう高校生だ。
大人ぽくなっていてもおかしくない。
「やっぱり体調悪いんじゃない?」
「本当に大丈夫だって。」
慌てて話をそらす。
「新菜のご両親は入学式行かないの?」
俺の突然の問いかけに怪しんでいる
ようだが答えてくれた。
「親は仕事が忙しいから来ないよ。
共働きだし。」
「実は俺もなんだ。」
「じゃあお互い親が来ないんだね。
でも、親が来ない方が気が楽じゃない?」
「そうかな。俺は来てほしいって気持ちもあるけどな。」
最初のコメントを投稿しよう!