オルゴール

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オルゴール

風が吹いた 空を見上げた 陽射しがやけに眩しかったな 君が笑う 釣られて笑う 隣にいつも いたはずなのに 僕が 積んだ 言の葉達は 君に 投げた 思いの丈は そうか そうだ そうなんだろうな 何一つ届いてなかった 空っぽだって ゴメンネなんて 誰に謝ったのか分からなくて 僕はずっと顔を伏せてた 壊れそうで 壊れたくて 何度も叩き付けたかったのに 壊せない厄介者だよ 雨に濡れて 傘を拾う 欠片も残さず流してよ 無理に笑う 無理して笑う いつの間にか慣れてしまってた 箱の 中に 仕舞った癖に 鍵を 掛けて 塞いだ癖に そうか そうだ そうなんだろうな 透明な箱を選んだのは…… 空っぽなんて ことは無いって 君が教えてくれた事なのに 僕はずっと気付けなかった 終わったなんて 思わないよ だからもう少しだけ許してよね ワガママな僕の恋の歌 空っぽだった 箱の中 回して鳴り出した想い出の歌 今もまだ一人で聞いてる すり減ってた ネジ切れてた あの歌はもう聞こえなくなった 気付いたら空っぽになってた
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