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「じゃあ、公園では遊んで行かないんだ」
「うん」
話しかけたのは私のほうなのに、なぜだろう、うまく会話をすることが出来ない。自分の知らない友達に囲まれてこれから楽しく遊ぼうとしていた俊成君が、なんだか自分の知っている俊成君じゃなくて別の子のように感じてしまった。
「学校に入ったら全然あずちゃんとも会わなくなっちゃったから、よくカズ兄ちゃんとユキ兄ちゃんにどうしたんだって聞かれていたんだ。でも、お店には来ているんだよね」
「うん」
「ばあちゃんも寂しがっていたよ」
「あ、でも、この間おばあちゃんとは商店街で会った」
「そうなんだ」
途切れる会話。俊成君の顔がちょっと困ったようになって、私も余計に焦ってしまった。
どうしよう。何も考えずに俊成君に話しかけたから、何を話したら良いのか分からない。いっそこのまま、「じゃあね」って言って立ち去ったら駄目なのかな。
焦れば焦るほど私の表情はむっとしたようになって、反対に俊成君はますます困ったように私の顔をのぞきこんだ。
「あずちゃん、どうしたの?」
「お前、あそこでサッカーしているのと同じグループ?」
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