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ゆっくりと、俊成君が腰を振ってきた。最初はゆっくりと、確かめるように。舌の直接的な刺激とは違う、体の奥から沸き起こるような気持ちよさ。それを私は貪欲に捉えようとしていた。
俊成君の一部が自分の中に入り込み、一つになる。そう思うと、普段彼の不在で感じている不安とか寂しさとか、そんな欠けた思いが一気に満たされていった。体の快楽と心の充足が、直結している。
でも、
「んっ」
彼の動きにあわせて少しずつ集中してきているのに、与えられる刺激は一定で、しだいに物足りなさを感じていた。高まる波は近付いてきているのに、それに乗ることが出来ない。後もうちょっとでいきそうなのに、最後のところではぐらかされる。置き火がくすぶるようなもどかしさに、私はつむっていた目をさらにぎゅっと閉じ、眉を寄せた。
さっきまでの、中途半端に放り出された快感が私の中でうずいている。もっと、……後もうちょっとなのに。
「俊成、君」
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