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one
何だここは....周りは自分の身長の十倍は余裕であるだろう真っ白で傷一つ無い壁に囲まれ外の様子は見えない。
そして機械が喋っているような無機質な声の放送。
二つ目の命令?一つ目はどうした?数も数えられないのか?落ちる?何が?どうやって落ちるんだ?...そういった疑問が頭に浮かび上がる。
五分ぐらい経ったのだろうか、それ以上かもしれない。このままでは何も進まないので周りの壁を調べ始めることにした。
耳を当てて何か壁の向こうから聞こえないかと思ったが何も聞こえない。
周りは風の音も何もせず、聞こえるのは自分の服が掠れる音だけ。
真空管の中にいるようなこの何も音のなるものが無い状況がここまで気持ちの悪いものとは思わなかった。
続いて壁を一定の間隔で動きながら手で叩いてみる。
中が空洞となっているような音はしない、自分一人で壁を突き破ることはできないだろう。
やけになっておもいっきり壁に殴り付けた手が痛い。
ここにいても何も得られないことがわかったので前に歩き始めた。
「あぁ...」
巨大“迷路”と言っていたので当然途中に幾つも分かれ道があった。
迷っている間に時間オーバーになってしまってはもともこもないので全て右に進む。
迷い続けて失格になるよりかはいいだろう。
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