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「元気ないね」
休憩室で俯いていると、まなみが顔をのぞいてきた。
「悠人から連絡がなくなった」
私は俯いたまま顔を上げることができなかった。
「そっか、あきられたね」
「えーっ!!」
「冗談よ。あのプリンスだから何か理由があるんじゃないの?仕事忙しいとか、病気だとか」
「わからない」
「まったく返事ないの?」
「最近になってパタリと」
「なんか変ね」
「どうしよう」
「芽衣はどうしたい?」
「話したいかな、声が聞きたい」
「プリンスのことだから、別れたいなら別れたいって言ってきそうじゃない?」
「そうだと思う」
「相当の理由があるのかな」
「わからない」
「わからないのって辛いね」
それからしばらく、何も言わずにまなみはそばにいてくれた。
あの時と同じだ。ねえ先輩、どうしたらよかったんですか。どうしたら。
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