ラグナロク初日

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ラグナロク初日

世界政府による『オリジナル世界終焉シナリオ』が発動されてから二時間後。俺は次の世代に向けて日記をつけることにした。これが誰かの手に渡ってくれることを願う。 とは書いたものの、なにから書けばいいのやら。とりあえず、『オリジナル世界終焉シナリオ』について話しておかなければな。それは、世界政府が独自で開発した兵器による世界の終わりだ。 何を思ったのか、世界大統領はいきなり全国のテレビ局を乗っ取り、直々に放送を始めた。内容はこうだ。 これまでの実験、検証により、人類は存在してはいけないイレギュラーだったことが判明した。よって今から、『オリジナル世界終焉シナリオ』を発動する。 こんな感じで放送は終わった。しかし、また次の番組で、『オリジナル世界終焉シナリオ』(ここではラグナロクと呼ぼう)の実態が明かされた。 各国や地域に設置された電波塔の下から、ゾンビのように這い上がってくる怪物。通称ロキが、人類を滅亡させるというものだった。その番組では、ロキの特徴。長所。特異性。そして残虐性が機械音声によって語られた。 これは軍にも知らされていなかったようで、最高司令が複数人の部下を連れて、ホワイトハウスへ直接赴いた。しかし、世界大統領もろとも粉々になっていた。大統領は承知の上でラグナロクを発動したのだ。 こうなってしまってはどうしようもない。軍は直ちに一般人を守る防壁となった。
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