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一日目(1)
別府公園にある木製のベンチに、僕は座っている。
ため息をつきながら、「……助けられるのか」と、呟いてしまった。その言動が悩める中学生のようで、十九歳の僕は、どことなく恥ずかしくなってしまった。
誰かに聞かれなかっただろうか? そんな不安から、つい辺りを見回してしまう。
視界に入ったのは、離れた所から、ショートボブの女性が近づいてくる姿だ。高校生ぐらいだろうか? それ以外に、人影は見当たらない。
目が不自由なのか、その女性は右の手に、白杖を握っていた。
桃色のキャミソールの上に、網の目の粗い、白いサマーセーターを着ている。そこから見える細い二の腕は、ほどよく引き締まっていた。
デニム生地のホットパンツからは、細く白い太ももが露になっている。その服装は、肌の露出が多い方だろう。
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