341人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう忘れちゃったかな? 私が言ったこと。しゅうくんの事を、『私が選んだ人』だって、言ったでしょう? しゅうくんなら、パパを助けることに協力してくれる人、って思ったんだ。どう? 私って、男を見る目があるでしょう?」
じゃあ、どうして、僕の前から居なくなってしまった?
「残念ながら、サービス券の有効期間は、もう終わりみたい。この躰も、借りっぱなしという訳には、いかないし。
パパを助けられて、本当に良かった。この世に思い残す事はない。
……そうだな、ひとつだけ、心残りがあるとすれば、もうすこし、しゅうくんと一緒に居たかったかも」
そうしてくれれば、良いじゃないか。
俯いてしまった映像の中の彩乃に、僕は指先を伸ばす。
最初のコメントを投稿しよう!