四十六日目(1)

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 そう言い残して、映像が終わる。彩乃の笑顔が、大きく映し出されたまま、静止していた。  僕の知っている彩乃は、もう、いない。  ……ほんとうに、もう、いないのか? 「どうして、もう会えないみたいに、言うんだよ」  僕は、言葉にしてしまっていた。声が震える。彩乃の言葉が、脳裏に蘇った。 『完成したら、また読ませてもらえる? 結末が気になる』   「絵本、完成したんだよ。読んでくれるって、約束したじゃないか」  ……そうだ。いま、ことができたなら、すぐにでも、会えるのではないか?  そう思いついた瞬間、隣で心配そうにしていた彩乃が、「あの、大丈夫ですか? 泣いています?」と、訊いてくる。  その存在を忘れかけていた僕は、呼吸を整えてから、こたえた。「たった今、失恋してしまって」
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